推しCMの話①エリシオン

やっぱり全く更新せずに放置してしまっていました() Isochkaです。若干酔った勢いに任せて自分史上最も好きなCMを紹介していきます。と言っても既にたびたび騒いでいるので、もうそれ聞いたよというフォロワーさんもいそうですが……

 

 

さて、私の史上最推しのCMがこちら。ホンダ・エリシオン プレステージの「グランドピアノ」篇。2007年……まあ確かに今や日本ではあまり見かけなくなりましたもんね…(Wikipedia先生曰く中国では現在も販売中だそうです)

https://youtu.be/p6csTFlfs1g

 

 

(以下は別タブで再生しながら読んでいただけると分かりやすいです。画像だけであれば【出演者もCM曲も完全網羅】2004年~2013年 ホンダ・エリシオン(Elysion) - 自動車CM大全さんも見やすいです)

 

曇天の険しい岩山、グランドピアノ、高原の一本道を疾走する黒のエリシオンが順に映ります。

ピアノの奏でる曲は力強く、厳かながら軽やかに駆け、まさに高級感を売りにした大きめの車種であるエリシオンに似つかわしい音楽(ちなみにこの曲を手がけたのは稲本響さんという方です)。和音が3回鳴るのに呼応してカットが変わる演出も憎いですね…こういうの軽率に好きになっちゃう…

 

走行する車、ピアノ、車の内装(これがまた高級感すごいんだ)とアングルが切り替わりつつ、ここで初めてナレーションが入ります。「その力は、特別な快適のために。」そして音楽は上っていき、頂点に達したところで––

グランドピアノが和音を一回大きく鳴らします。音楽がある程度分かる人は分かると思いますが、この音から音楽が半音上に転調しています。この音と同時に奏者は右ペダルを踏み、次の瞬間。

 

車のタコメーターが上がっていくのが映ります。この演出でもうダメでした。演出考えた人、天才……???

要するにピアノの右ペダルを車のアクセルペダルに見立てた演出というわけです。ペダルを踏み込んで、車のエンジンの回転数が上がっていく(ついでにその直後にマフラーが映るのも良いですね)。この比喩表現それ自体がもう十分エモいんですがそれだけじゃない。

このシーン、音楽的に見て/聴いても何ら違和感がないんです。音楽としては和音をフェルマータ的に伸ばしている場面ですから、音を持続させる効果のある右ペダル=ダンパーペダルを踏むのは至って自然なこと。

 

さらにここで転調することで音楽のテンションもさらなる高みに上っていくからすごいですね。

ピアノの右ペダルは音を伸ばすと言っても、ピアノの発音原理上どうしても音は減衰していきます。一方、車のアクセルは踏めばエンジンの回転数が上がるもので、勢いを増すと考えればある意味逆に近いはたらきをするもの。音楽の流れや映像の作り方によって両者をしっかりと対応させ、かつ音楽的にも自然な比喩として完成させて魅せるこのCM、なんと強いことか……

 

 

以上萌え語りでした。楽器と車の両方が好きな私にとってこれ以上ないほどに印象的なCMで、10年以上経った今でも定期的に見返しています。昔のCMをYouTubeに上げてくださる神様、本当にありがとうございます…。

このブログはこうして「中身の人格は基本的にTwitterと同じだけどより長文で好きなものをゴリゴリ(勝手に)語る場」のような感じで不定期更新しようかなと思っていますのでよろしくお願いします!…多分稀にしか書きませんが()